というわけで、ここからは【劇場版ミルキィホームズ ~逆襲のミルキィホームズ~】の考察というか解釈というか感想というか。
 半分以上は怪盗帝国絡みの話です。
 いや、ミルキィ方面は誰かがやってくれると思うので…w



 当然全力でネタバレしているので、劇場版ミルキィを未見の人は見ないでね。



 劇場版のタイトルロゴが最初に出た時、文字のバックに時計の針があったので、「あぁ過去改変やタイムスリップ系の話になるのかな?」と予想していましたが、過去改変阻止ものでした。
 そんなわけで、今回はSF要素強めで、一期のようにかなり緻密に計算されている脚本だと思います。
 まずエリーさんの探偵服。
 何故一人だけ着替えられなかったのか?→実は時空の歪みに巻き込まれていたから(エリーさんの鈍臭さは、その後の焼きまんじゅうシーンでも描写されてますし)。バスタオル時に「なぜ、そんな姿なのだ!?」と尋ねたストリバさんの顔に飛んで来るというのも、なかなか…w
 次に、冒頭で小衣ちゃんが巨大化した黄金仮面に取り付かれた時、何故か遥か天空にいるのにフェルダーの頭がぶつかって落とされる→実はその頭は、G4との最終決戦中のフェルダーでした。そしてその事に気付いた小衣ちゃんは、ミルキィがトイズを失った過去を盾にして、ミルキィがトイズを失くした瞬間の過去をどんどん消してしていきました。その中には当然、映画冒頭のトイズ消失の雷のシーンもあります。(そもそもその雷自体も、時空の歪みを通して落ちてきている気がしなくも…)
 今回、小衣ちゃんによって失われたトイズは、小衣ちゃんによって取り戻されているんですよね。

 あと、今回の敵の目的は「ホームズを消して過去を変える」事でした。
 こういう話の展開では、「それが成功すると孫娘のシャロが消える」という可能性に触れられるはずなのですが、本人含め完全スルーな辺りがミルキィらしいなとw
 ただ一人だけ、その事に気付いているんじゃないかな?と感じるキャラがいます。
 小衣ちゃんです。
 終盤、激を飛ばす彼女が一瞬だけ本心を見せた「変えられたくないものだってあるのよ…」(だったかな?)という台詞は、シャロが消える可能性を危惧してたんじゃないかなぁと。まぁ「探偵」が存在しない世界になってしまえば、「探偵」であるシャロも消えてしまうわけですけども。


 さて一方、モラン大佐はオルタの敵でした。オルタは「ミルキィがトイズを失わなかった世界の話(つまりゲーム版。現にEDに出てくる校舎がゲーム版)」と予告で明言されています。なのに何故今回一期&二幕の続編…というかそっちの時空である劇場版に出てきたのか?
 ここでG4VSフェルダーのシーンを思い出して下さい。
 小衣ちゃんが、ミルキィがトイズを失くした過去のモヤをフェルダーにぶつけ、そのモヤを消しています。
 ……そのせいでミルキィがトイズを失くした世界と無くしてない世界が繋がって、劇場版にやってきたんじゃね??
 ネロが「サルタナクッキー」ではなく「サルタナスコーン」と言ってたのは、実はそういうことだったりしたら…(だったらどうしよう…w)。

 それはさておき、森脇ミルキィといえば「森・アーティ方面はどうした」とよく突っ込まれるのですが、なんと今回の劇場版、ポスターにいた敵がまさかのモリアーティでした。
 ちなみに、「モリアーティ シャドウゲーム」で画像検索してみると、今回のモリアーティのデザイン(ムキムキVer)の元ネタが分かりますよっと。
 そして森・アーティは孫(末裔)であることが確定。
 今までの森・アーティの行動(伏線)を回収し、【原点回帰】と【オールスター】をテーマにしつつ、一期と二幕でやりそびれたものを入れ、かつ対比させた内容も入れるという盛り沢山な映画です。
 それと、大発表会の監督の発言で「いっぱい【逆襲】しています」とありましたが、思い出せる感じでもざっとこんな感じ。

 小衣→ミルキィ(トイズをなくすアレ)
 G4→フェルダー
 ストーンリバー&トゥエンティ→ポーロック
 エリー→ストーンリバー
 アルセーヌ→モリアーティ
 ミルキィホームズ→モリアーティ


 そんなわけで、予告にあった「最強の怪盗」がまさかのモリアーティだったんですが、最後、ミイラ化して時空の渦に巻き込まれて消えたじゃないですか。
 あれで芋畑に埋まってしまって森・アーティに見つけられたってことはないですよね?
 …無限ループって怖くね?w (とすると、最初に崖から落ちたモリアーティはどこにいったってなるんですが)
 でもそうすると、何度も同じ時間を繰り返しているのに、モリーティが前回の記憶にない&対処しないってのが矛盾するんですけど、時空の渦に巻き込まれたことによって毎回記憶とトイズが消えていたとしたら…(それが過去を変えようとした罪による罰だとすると怖い)。
 …やっぱ無限ループって怖くね?(多分これは考えすぎだと思うけど)


 あと敗者復活の石は、実はシャロの探偵服についている緑色のブローチでした。一期11話でソニアからプレゼントされて、シャロのトイズが一時的に復活したのも緑色の石。この世界では、緑色の石(エメラルドとか)がトイズに何か影響を与えるということなのかな…?



 ところで、劇場版ミルキィでは、アニメ一期&二幕でやりそびれたこともやっていて、そのひとつが「アルセーヌの成長」要素だと思っています。
 一期はミルキィ、SSは小衣、二幕はアルセーヌの成長物語位置づけられていた事が、のぶちゃんPが過去の記者発表(確かふたミル辺り)で出されたボードに提示されていました。しかし二幕でのアルセーヌは、ミルキィにただ苛ついていただけで(その理由は納得できるんだけども、その為にミルキィ達がよりダメダメっていうか、探偵を目指して前向きな部分が消されて下方修正されちゃってたし)、ついには何もかも放り出して学院を破壊し、止めに入った部下すら捨てて自暴自棄になります。
 人間である以上、必ず間違いは犯します。アルセーヌも例外ではありません。しかし、間違っていたと気付いた時、反省と相手への謝罪がなければ、成長したとはいえません。
 プライドの高さとか、実は友達がいないから仲直りの仕方がわからないとか(アニメのアルセーヌは、仲間であるスリーカードにすら本心を打ち明けるシーンはないし……)、色々な要素が含まれているにしても、二幕7話の事態を自らの意志で引き起こした以上、少なくともスリーカードには謝罪する必要があると思います。
 なのに、それ(謝罪シーン)が(視聴者が明確に受け取れる形で)ない。
 以上のことから、二幕でのアルセーヌの成長というテーマは、正直失敗していると自分は思っています。

 同様にアルセーヌとスリーカードの関係は、アニメではスリーカード→アルセーヌという、あくまで一方通行の描写しかありません。
 スリーカードとは「アルセーヌ様に忠誠を誓い、アルセーヌ様をお守りし、アルセーヌ様に味方する。その為に結束した騎士である」。
 では、アルセーヌの方は彼らをどう思っているのか。
 その答えがようやく描かれたのが、今回の劇場版です。

 ちなみにメガミマガジン3月号で、監督インタビューに「男性キャラの出番は削らせてもらいましたw」とありました。が、劇場版を見るとちゃんと納得できる理由があります。
 今回、はじめてアルセーヌの心情が描かれます。その為には、スリーカードが側にいてはならないのです。

 アルセーヌは、二幕ではミルキィを自分の理想のライバルに戻そう、育てようとして、しかし思うとおりに成長していかない彼女たちに、ただ苛々を募らせ、ついには爆発させて全てを投げ出してしまいました。本心を仲間であるスリーカードに打ち明けることもなく、かつただ怒りに任せて学院を破壊するなど標榜する美学に反すると諌めようとしたストーンリバーすら足蹴にしてしまいます。
 しかしソニアの言葉により(何故ソニアなのかはわかるんだけど、納得いかないんだよなぁ…w)、アルセーヌは「自分の理想とするライバル」にミルキィを導こうとするのではなく、「ありのままのミルキィ」を受け入れるという選択をします。つまり「ダメダメも個性」というやつです。
 それを象徴するのが、TD12話の「ダメダメ探偵さん」というシャロへの台詞だと思います。実はアルセーヌは、アンリエットの時にミルキィの事を「ダメダメ」と連呼する事はあっても、アルセーヌの姿ではミルキィを「ダメダメ」と呼びかけたことはないんですよね。(ないよね?)
 あと二幕12話では、一人でホームズ像前で佇んでいるところにスリーカードが駆けつけました。本来なら彼女から謝罪しないといけないのですが、それよりも先に、スリーカードの方が(彼女への愛で)全て受け入れてしまったわけです。悪くいえばアルセーヌを甘やかしちゃったんですよね。
「また主と呼んでくれるのですか」
 これはアルセーヌの精一杯の謝罪というか、甘えだったんじゃないかなーと今は思います。
 (でもちゃんとごめんなさいしようねって私は何度でも言い続けるよ!)


 そんな無償の愛と忠誠心を向けていたスリーカードが、今回、敵の手に落ちてしまいます。
 モラン大佐側は最初から、彼らを分断してスリーカードはトイズで洗脳、駒として使うという明確な作戦をとっています。まぁ野放しにしていたら絶対に邪魔しに来るだろうし、現にしてきましたしね。
 しかもアルセーヌにとっては、目で見える形であった彼らとの絆として髪飾りを、よりにもよって、(洗脳されていたとはいえ)二幕7話で最も忠誠心を示したストーンリバーの手によって破壊されます。
 (そもそもポーロックの胸で催眠のトイズにかかってるし、これってまさに寝取られでは…w)
 
 この時、アルセーヌは初めて孤独と喪失を味わったはずです。もしかするとここで初めて、二幕7話で自分が(ストーンリバー達に)やったことの意味と重大さを実感したのかもしれません。だからこそ、「私にこそ、敗者復活の石が必要なのかもしれませんわね…」という台詞が出てきたのかなぁと。

 またこの時点では、アルセーヌはストーンリバーとトゥエンティがポーロックのトイズにかかって洗脳状態である事は把握できていないはずです。のちの最終決戦時、ポーロックの命令で動く彼らを見て確信したとは思いますが(まぁ顔を見れば一発でバレバレですけども、これは視聴者向けな描写な気がする…w)。

 二幕7話では、暴走したアルセーヌを止めるという目的がありました。今回は、アルセーヌが奪われた仲間を取り戻すのが目的です。アルセーヌVSストーンリバー&トゥエンティは、まさに二幕7話の真逆であり、対比でもあります。
 ちなみにゲーム1では、精神操作を解くのは大きな愛でした。今回はそれをアルセーヌが身を持って示しました。そして彼らの絆が催眠のトイズを打ち破り、今までは表に出していなかった彼らへの愛を、アルセーヌは初めて「私が「許す」と言うまで私の元を離れることはなりません」と言葉にして伝えます(ここ重要)。これは、二幕7話でストーンリバーが見せた忠誠心への答えではないでしょうか。
 また同時に女神のように微笑むアルセーヌの姿は、二幕8話の現実逃避でストーンリバーが見た己に向けられるアルセーヌの愛、ほほ笑みは幻影でしかない(幸せだと思いながらも違和感を覚える&かまぼこの助けがありつつも幻影だと唯一気付く、つまり自分にそのような愛情、笑みは向けられないと無意識に感じてる)→そんなことはない、現実ですよ、という対比でもあると思います。

 そんなわけで、挿入歌の「鼓動の彼方」の歌詞(守りたい絆がある、など)は、ミルキィだけでなくアルセーヌにも当てはまっていると思います。特に二番の歌詞の冒頭部分は、まさに今回のアルセーヌ様の事では…。しかも劇中では、二番はちょうど怪盗帝国パートで流れるんですよね。アツイ。
 その主題歌ですが、「激情!ミルキィ大作戦」は映画へのドキドキやワクワクを詰め込んだ楽しい曲で、挿入歌の「鼓動の彼方」は、映画のテーマや内容を盛り込んだ熱い曲ですよね。メロディーとあわせて凄く好きです。



 というわけで、ちゃんと怪盗帝国側の描写もしっかりあって自分としては満足なのですが、(欲をいえば学院で石流さんとしてのシーンも見たかった…)、当然不満もあります。
 ラットの扱いです。
 名前を正しく呼ばれない、常識人ゆえの存在感の薄さばかりが今回の映画でも取り上げられ、不憫としか言いようがないというか…。そもそも催眠のトイズにかかっていなければ、アルセーヌのもとにすぐ戻ればいいじゃんかー!
 でも彼だけ戻っていると、アルセーヌの孤独が浮かび上がらないというか、ストリバ&トゥエンティへの信頼というか愛情の比重が上がりすぎるというか…。でもアルセーヌ様にまで完全に忘れられていたというあのオチなら、戻ってきてても問題なかったはずなんです。
 と、諸々のことを考えながら、ここでメガミマガジンの監督インタビューを思い出しましょう。
 ハイ。
 ……出番削られた男キャラってラットじゃね???
 (今回のストーリーからして、ストリバさんと20はあんまり出番は変わってない気がするんですよねぇ)

 で、ED後、再びスリーカードがアルセーヌの為に髪飾りを盗んできて献上します。
 この時、アルセーヌ様に渡す役をしたのはラットです。
 何故彼だったのか。
 おそらく、ポーロック戦の後でのやりとりで、アルセーヌ様に完全に忘れ去られていた&思い出してもらってなかった事を、ストーンリバーとトゥエンティが察したのだと思います(ストリバさんはいつもの真面目な顔ですが察したような表情ですし、20は明らかになにか感づいたような表情を浮かべてるので…)。それで今度はそんなことがないように、ちゃんと思い出して貰えるように、ラットにその一番目立つ役目を譲ったんじゃないかなーと。

 現にアルセーヌ様の髪飾りをプレゼントされた時の回想では、台詞にはラットの声も混じっていました。しかしラットの姿が灰色のシルエットになっているんですよね…。で、アルセーヌ様の視線もストリバさんと20にしか向かっていないんです(アルセーヌ様主観の回想なので)。しかもその時にアンリエットさんがいる場所は、「石流の下仁田ネギ さわるな」という看板があって(冒頭で盗んでいた種子を蒔いて畑にしている疑惑が…w)、干されたまま雨に濡れる20の抱き枕カバーがあるのですが、ここでも二人の思い出しかないんです。
 アルセーヌ様に本気で忘れられていたラット君…(ノ∀`)
 「怪盗帝国の絆を描く」という意味では、ギャグとはいえ「アルセーヌ様にすら忘れられてた」というのは、一番やっちゃいけないコトだと思うんですよね…。
 ゲーム版ではアルセーヌ様から弟のように可愛がられているのにどうしてこうなった…。中の人もパンフで頭抱えてるわけですよ…。「ミルキィはじめまして。」では怪盗帝国の皆に可愛がられているラット君回があるというのに…(ノ∀`)
 この映画の中でラット君だけ逆襲できていない…。

 ただまぁその代わりといってはなんですが、合流後は目立っています。表情も可愛いし。
 小衣とラットがモリアーティの注意を引いている隙に、シャロが背後に忍び寄って、祖父と同時にバリツを決めているんですよね。あのシーン、すごく…ラトシャロでした…。
 (あとポーロック戦後の怪盗帝国の名乗りの時、ラット君の爆弾が紫ではなく黒のままだったので円盤修正お願いします)

 そういや、冒頭で怪盗帝国が盗んでいたグンマの国宝は「ゴールデン下仁田ネギの種子」で、ラストで盗んできたのはグンマの国宝「白銀の蚕の髪飾り(うろ覚え)」で、金と銀の対比になっているんですよね。


 そして再び怪盗帝国VSミルキィホームズのシーン。
 実は今までは、怪盗帝国側が相手のミルキィを選択していたのですが、ここで初めて、ミルキィ側が怪盗帝国側を指名…というか呼びかけているんですよね。それぞれがお互いの名前を呼び合いますが、そこにはライバルとして認め合った空気が流れています。まさにアルセーヌが目指していた関係がそこにあります。
 そしてここで、一期と二幕でお馴染みのあのアバンナレーション。今まではずっと(祖父の)ホームズVSルパンだった構図が、ここで初めてシャロVSアルセーヌに。

 集大成すぎる。
 っていうかこれもう最終回では。むしろ完結編では。
 モリアーティとのラストバトルでは、ミルキィに「過去は振り返らない」「前だけを見る」といった台詞がありますが、自分にはこれが「一期&二幕の流れはこれでオシマイで次からは新しいものをつくる」という宣言にも聞こえてしまって…。穿ち過ぎですかね??
 自分としては、この一期&二幕の沼田さん作画&アニメーションで、学院生活をおくるミルキィ+学院に潜入した怪盗帝国の話がまたみたいんです。「ミルキィホームズ はじめまして。」のラット回みたいな話とか!頼む…頼む…。



 そんなわけで、最後にこれだけ。
 今までストーンリバー→アルセーヌだけだったのに、アルセーヌ→ストーンリバーと、ストエリのいつもの絡みを劇場版で見せて下さって有難うございます…有難うございます…(ー人ー)
 ぶっちゃけ「私が「許す」と言うまで私の元を離れることはなりません」のシーンは「アルセーヌ様がストリバさんにプロポーズキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!」と思ってしまいました…。いやだってあれプロポーズじゃん…?プロポーズじゃん?「ずっと側にいなさい」って意味じゃん…?
 しかもストリバさんの「アルセーヌ様以外のボヨヨンに籠絡されるなど、申し開きできない程の失態…!私に切腹をおお許し下さい!」って感じの台詞を受けて、アルセーヌはストリバさんに「許す…?冗談ではありません。そんな事で私が許すと思いますか」と返しているんですよ。あれストリバさんだけを見てストリバさんに言ってるよ…!
 しかもあの直前のストリバさんって囚われの騎士状態じゃん?!(お花畑に突入したのでこの辺で終了)
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